annてどんな人?高校編

好きなことをする事から世界が広がっていく
高校は全校生徒家政科という女子高へ行った。
家政科しかない学校だったので何処に行っても誰かが何かを作っている。
全校生徒約1600人全員が物作りをしているのだ。私にとってはパラダイス。
教室の床や廊下はカラフルな生地で埋めつくされている。生徒が廊下を歩く時は生地を避けながら歩く。
中学では体験出来ないようなカラフルな世界がそこにはあった。
物を作れる喜びで毎日が楽しかった。
学校生活が楽しくなると勉強することも楽しくなり毎日朝4時まで勉強した朝4時になると裏の家のニワトリが鳴きはじめる。
それを合図に1時間寝る、朝5時に起きて6時半の電車に乗らないと間に合わない。
電車の中でまた居眠りという生活をしていた。
好きな事をしている時はそれも苦とは思わない。
刺繍の基礎もこの高校で学んだ。
今までは私の絵の前を素通りして行った人達も刺繍で絵を刺すと「え?」と言って立ち止まり「これ刺繍?」と近づいて見たり、遠くから見たりして最後は絵全体を見渡してくれる。
刺繍で表現することが楽しいと感じた。
絵には無い表現の仕方を高校で学べた。
高3で挑戦したコンクールで文部大臣賞を頂いた時、刺繍で自分にしか出来ない作品をこれからも作って行けるかもしれないと思えるようになった。
それから私の絵はカラフルに変わった。